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免震住宅化は新築が基本
【免震とは】
免震とは、呼んで字のごとく「地震から免れること」です。
耐震は地震に耐える建物を作ること、制震は建物で地震を吸収させること、でした。耐震と制震は建物が地震で倒れることを防ぎます。
免震は地震の激しい力を直接、建物に伝えないことを目的にしました。
たとえば、豪華客船は地震がきても船にダメージはありません(ここでは津波による被害は考えません)。船は海の上に浮いているからです。海面や海底(地面)が揺れることはあるかもしれませんけれど。
この考え方で住宅を地震から守るシステムが、免震システムです。建物と地面のあいだに免震装置を設置して、地震の揺れを建物に伝えにくくします。
【免震装置の種類】
免震装置(構造)には、以下のような4つの方法があります。
・積層ゴム方式
・ローラー方式
・滑り方式
・エアー断震(フロート断震)
>>積層ゴム方式
建物と地面のあいだに地震の揺れを吸収させるゴムを設置します。単なるゴムですと建物の重さでつぶれてしまうため、鋼板とゴムを交互に積層させたものを使います。
>>ローラー方式
建物と地面のあいだにボールベアリング(球)やローラーベアリングを敷き、地震による建物の揺れを小さくします。地面側の受け皿を皿状にすることで、地震で動いたローラーも元に戻ります。
>>滑り方式
建物と地面とのあいだの免震装置が震動でずれたままになっても、復元用ゴムが元の位置に戻します。
>>エアー断震(フロート断震)
地震の揺れを感知すると、基礎の間に空気を入れる仕組み。建物を空気で空中にもちあげて地震の揺れをかわします。家そのものを浮かせてしまうため、大地震がきても揺れを感じません。なお、建物を水に浮かせるのはフロート断振となります。
【免震にかかる費用】
建物の耐震化や制振装置を取り付けることはリフォーム(リノベーション)でも可能です。しかし、免震は地盤を扱うため新築が前提になります。
まず免震装置を受け止めるためのしっかりした基礎を作らなければなりません。そのため免震工事は高額になりがちです。
柱状改良等の地盤補強が約70万円、小口径鋼管杭工法が約200万。そのうえに免震工法で約500万円かかります。
【免震のメリットとデメリット】
免震のメリットは、構造体(建物)だけでなく、外装や内装の被害も最小限に抑えてくれることです。
免震のデメリットは費用が高いこと。そして基礎の工事が必要なため、新築でなければ装置を設置できません。コストがかかることから、一般住宅よりもマンションなどの大型建築物で先に普及しています。
そして最大のデメリットは、装置の想定を超えた大きな地震がきた場合、装置が壊れてしまう可能性があること。装置には横揺れのみに対応し、縦揺れに対応していないものもあります。これらの免震は、縦揺れが大きい活断層型の地震では役に立たないことになります。
東日本大震災では、戸建住宅用の免震装置が横揺れに対応できず機能が発揮されなかったり、装置の破損が確認されました。また熊本地震では設置されていた免震装置と、その下の基礎が壊れていました。
これは戸建て住宅の場合、建物の揺れ幅の設定が狭いため、設定以上の揺れによって破損してしまったと考えられます。